超多趣味主義Dokyaブログ

すっごい多趣味だなぁと日々実感する中で、広くて浅い知識を披露したいがために記録するブログです

引張試験の話

新生活が落ち着いたので、二日連続投稿です。

これは趣味なのか...?と問われたら違いますが...私の勉強にするためにも、今回は引張試験について語ろうかな...と思います。

 

 

引張試験

まず引張試験って知ってますか?これは材料の強度を評価する最も基本的な試験です。強度といっても種類はたくさんありますが、引張試験という読んで字のごとく、金属の棒をひき伸ばしたときの強度を測定します。

岩手大学技術部理工学系技術部さんから引用 

2つの引張試験機 : 岩手大学理工学系技術部

 これが引張試験機というやつです。

当然ながら引っ張っていけばいずれか切れるときがやってきます。この切れることを「破断」といいます。またモニターでグラフ(応力ひずみ曲線)を見ることができます。応力ひずみ曲線...ゴロが良くて僕は好きです。

応力ひずみ曲線ってなんだよ

当然の疑問ですね。縦軸に応力、横軸がひずみとなっているグラフを意味します。

http://www.cybernet.co.jp/ansys/images/glossary/ouryokuhizumikyokusen/fig01.png

一般的な応力ひずみ曲線はこんな感じです。

ここで想像してみてください。ここに金属の定規があるとしましょう。この棒に軽い力を加えて、力を抜いてみてください。もとに戻りますよね?このことを「弾性変形」と呼びます。

では逆にとても大きな力をかけて、力を抜いてみましょう。元に戻りませんよね?この変形を「塑性変形」と呼びます。

元の道筋にもどってあのグラフをもう一度見てみてください。力を加えていき弾性域を超えたら塑性域になりますね。ここがポイントなんです。この切り替わる点を「弾性限界」と呼びこれを超えてしまえば元に戻らないわけです。

このグラフではわかりにくいですが、グラフは曲線的に変化していきます。この弾性限界を超えたすぐそばで、急激にひずみ(伸び)が発生します。その点を「降伏点」と呼び、わかりにくい場合は全体から0.2%塑性変形したところを降伏点とすることから「0.2%耐力」などということもあります。

さて用語をズラッを並べたところで本題です。このグラフは結局何を意味しているの...?ですが。

機械設計を行う上で降伏点以下の負荷の範囲で使われることを想定して設計しなければなりません。当然物というのは壊れます。その壊れる原因としては疲労破壊などが原因なのですが、疲労破壊は長時間かかって破壊されることです。ユーザーが買ってすぐ壊れないようにするためにもこの降伏点を理解したうえで設計することが大切なのです。

本題に戻ると...

長かったですが本題に戻りましょう。上の降伏点を理解するためにも引張試験は必要なんですね。この材料の強度はここまでだ。なんて調べることができるわけです。

確かJISで決まっていたはずですが試験に用いる素材の形が決まっています。

決まっているので、式を立て応力、ひずみの計算が容易にできるのです。

応力=荷重/断面積[MPa]  ひずみ=試験片の伸び/元の長さ

 

この引張試験があるから今の産業があるし、私たちの生活が成り立っているのです。